《私の本棚 第十》 1998年(平成10年)1月
「アルトハイデルベルク」 マイアーフエルスター 作
この本はその題名のとおり、ドイツで最も美しい町といわれているハイデルベル ク(参考) を舞台にした物語です。ここにはドイツ最古の大学があり、この大学で夏の学期 を過ごすのは、古くからドイツの学生たちのあこがれの的になっているそうです。 貴族の御曹司である主人公も、当時の習慣に従って1年間の学生生活をここで 過ごします。身の回りの世話は常に従僕がしてくれ、規則正しい生活をしていたカ ル・ハインリヒは、この地で伸びやかで生き生きとした時間を経験します。激しいカルチャーショックを受けますが、いつしかそれも思い出の世界に遠のいていきま す。TVドラマにあった「白線流し」に似たような淡い世界を感じます。 日本でいえば、丁度京都の様な町のようです。最近もTVでこの町の風景が映し 出されましたが、とっさにハイデルベルクと分かりました。写真で見た哲学者の道から見下ろすネカー河と橋と山を含む町の景色が、よほど強い印象として残っているのでしょう。機会があれば是非訪れてみたい所の一つです。 |
南禅寺 境内の疎水 【本文との関係---なし】 |
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