《私の本棚 第八十五》   平成16年4月

  「レ・ミゼラブル」  ビクトル・ユゴー  

 1802〜85年のフランス人作家。この作品は 「ああ無情」 という邦題で親しまれています。一般的な縮小版では、悪人が改心し孤児を育て、慈善活動をし、最後は安らかに眠るというものです。しかし、完訳ものを読むと又違った面白さが見えてきます。
 15年、ナポレオン1世のワーテルローの戦い32年パリで市民と軍がバリケード攻防をしたこと。48年の2月革命、52年のクーデターでナポレオン3世が皇帝に就いたこと。パリの下水道は全長2,100 qを超えること等を時代の背景にして読むことが出来ます。

 挿話が多く、冒頭から延々と主題以外が語られます。作者は民衆の側に立ち政府と対峙していました。 年末TVで映画化されたものを見ましたが、挿話抜きで凡そ5
時間の長編でした。 私は何故か、文庫本の挿絵が好きです。 
三多気の桜






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