《私の本棚 第八十四》 平成16年3月
「インド神話」
上 村 勝
彦 著
前号で紹介した 「シッダールタ」 を読んでいる時、書店でこの本を見かけました。副題は 「マハーバーラタの神々」 となっています。数多くの神々を紹介していますが、出典は紀元前1200年頃に成立したインド・アーリヤ人の有する最古の文献 「リグ・ヴェーダ」 に依っているそうです。 この本を読んでいて強い印象を受けたことが幾つかあります。一つはイタリア・ギリシャと同様に、神の数の多さです。シルクロードを通ってインドへ更には中国・日本に大きな影響を与えています。もう一つリグ・ヴェーダは宇宙の創造を次のように表現しています。 「その時、無もなく有もなかった。空界もその上の天もなかった。何ものが活動したのか。(略) 夜と昼の標識もなかった。かの唯一者は自力により風なく呼吸していた。 (略) 太初において、暗黒は暗黒におおわれていた。」 と。 さすがに数字のゼロを発見した国だと妙な感心をしました。 |
唐渡天満宮 【本文との関係---季節】 |
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