この聊斎志異(参考)本の存在を知ったのは、30数年も昔 (中学生か高校生の頃) のことです。今の近畿放送、当時はラ ジオ京都と言ったと思いますが、午後10時か11時から5分間の味わい深い朗読があり、楽しみにしていました。 今から300年以上昔の作品ですが、中は短い物語に分か れています。全編ことごとく魑魅魍魎、仙人、狐、鬼、化け物、不思議な人間などに関した話です。表現は素直で整然としており、怪異の世界と人間界が入り混った世界を書ていますが、読み手には格別の不自然さは感じられません。それどころか、妙に共感や納得さえ覚えます。日本で怪談と言えば四谷怪談や牡丹灯籠など、幽霊になって人に取り憑く恐ろしいものですが、聊斎志異の登場者は親しみの持てるものばかりです。 手元に昭和45年発行、角川文庫の 「完訳聊斎志異」 がありますが、残念ながら全4巻の内第3・4巻しか残っていません。 |
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