宇治拾遺物語の母体は 「宇治大納言物語」 です。研究した人の結果では、登場人物260名のうち240名は歴史上実在したが、年代的矛盾をはらんでいるということです。 芥川龍之介の作品(参照)と、宇治拾遺物語や今昔物語は関係が深く、「羅生門」 「偸盗」 「薮の中」 「鼻」 「芋粥」などがあります。宇治拾遺物語の中で鼻は 「鼻長き僧の事」 と言う説話として載っています。昔、池の尾 (宇治市池の尾地区) に位の高い僧がいて賑わいのある寺があった。この僧にも一つだけ悩みがあって、あまりにも鼻が長いので食事がしにくい。更には大変かゆいので、2〜3日に一度この鼻を茹でて、足で踏む治療をする必要があった。ある日、食事の「鼻持上げ係」が病欠をしたので一人の童に代理をさせた。最初は上手にしていたので誉めていたが、童がくしゃみをした拍子に鼻が粥の中に落ちてしまう。今しがた誉めた事を忘れて多いに罵るが、逆に 「こんなに大きな鼻を持った人がどれほどいるとお思いですか」 とやり込められてしまう。高僧とはいうものの、それらしくなく庶民的なところが説話らしい。 |
宇治平等院 平家物語 【本文との関係---地理】 |
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