《私の本棚 第九十九》 平成17年6月
「ローマ人の物語Y (パクス・ロマーナ)」
塩野 七生 著
この巻では紀元前29年から紀元後14年までのローマ帝国が記されています。主人公は天才ユリウス・カエサル (ジュリアス・シーザー) から後継者に指名された初代皇帝アウグストウスです。カエサルのような才能は自分には無いと自覚していたアウグストウスは、別の方法で引き継いだ理想を達成します。 この巻の中に当時の少子化対策を述べている箇所があります。前2世紀までは10人の子を育てるのは珍しくなく、カエサルの時代には2〜3人になり、アウグストウスの時代では結婚さえしない人が増えたとあります。思い切った抜本的改革を行って乗り切ります。皇帝といっても民主的なものですから、やはり大変な政治力です。 パクス・ロマーナとは 「ローマによる平和」 です。読み進めていくと、今のアメリカと似ていなくもない。そんな感想を抱きます。 |
桂 川 【本文との関係---季節】 |
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