長距離サイクリング、山陰道(国道9号線)を出雲へ  55歳 

  2003年9月19日(金) 2102 〜  20日(土) 1830

さて、今日は十分な準備をした出雲サイクリングへ出発する日だ。先週は台風が日本海へ抜けたため中止。今日もフィリピン辺りに台 風が発生しているが、影響はないと判断。少しくらいは雨に降られる覚悟はしている。自宅からR経由米子、米子からR431 で境港と境港大橋を経てJR出雲市駅に至る398qの行程。途中湯村温泉までの道はアップダウンの多い箇所。総行程の半分は度は20km/hの予定なら問題ないはずだ。エクセルで作った行程表を何度もチェックした。どこで休憩をするか、どこで食事にする か、休憩時間は何分位、食事時間は何分位とれるか。昼間は暑いが夜間はどうか。最近朝方は寒い。夏用のウエアーだけでは寒 くはないか。レッグウオーマーとウインドブレーカーを持っていこう。ライトの電池が十分な明るさを保つのは何時間位か。特に予備の電池には相当神経を使った。金沢へ行ったとき、照度不足になってまともに走れなかった記憶がある。ライト取り付けのために補 助具を購入した。ライトはLED・ハロゲンの2個と懐中電灯を1 個前方に向ける。更にミニライトを付けてメータを照らす。 格好は悪いが仕方がない。これだけで電池は単38本、単41本、単13本必要。予備の電池を3 回分持った。それでも走るときはこまめにライトを消して節電に努める予定だ。上り坂は1灯だけ、 平坦路は2灯下りは3灯全部点灯すれば良い。早めに電池交換すれば 前半の夜間走行は大丈夫だろう。テールライトは点滅させれば100時間くらいは問題ない。けがをしたときの応急処置薬はこれで良いか。コンビニがなかったときのために弁当を持っていく必要があるか。弁当を持参するなら、腐らないようにペットボトルを凍らせて間に挟んでいこう。イメージトレーニングは繰り返し行った。地図を見ながら何度もなんども峠を越えた。足も少しは走り込んだので大丈夫だろう。5月の伊勢本街道走行と丹波往復が自信に繋がっている。しかし2週間ほど前から持病の腰痛がひどい。湿布薬を貼ったり、エレキバンを貼ったりしているが効き目がない。リュックが6s、サドルバッグが3s、ペットボトル2本をフレームに装着しての重さは多少気になる。でもまあ何とかなるだろう。暗闇の中でパンクさえしなければどうにかなるさ。よし!行くぞ、これが最後の長距離サイクリングだ。 
あんな本こんな本
 21:02 いつもおきまりの出発前の記念写真。愛犬マックも一緒におさまる。玄関を開けて自転車を出そうとすると雨が 降っている。「お い、雨が降ってるで!」。長袖のブレーカーを着ていったらと言う妻の言葉に従い急遽着込む。出発から雨とは思いもしなかった。LEDだ け点灯してペダルを踏み出す。ここから老ノ坂手前の成章高校までは市街地走行。こんな時間にサイクリングしている物好きは誰もいない。ましてや秋雨の降りしきる中。休憩ポイント付近はモーテルが並んでいる。中は暖かいだろうな?なんてくだらないことを考えてしまう。

22:10 
幸い休憩ポイントでは雨があがった。順調に予定通り走っている。走行距離も地図ソフトで測った距離とぴったり合っている。 長袖のブレーカーは暑いので畳んでしまった。

22:14 次の休憩は園部町河原町交差点先のコンビニだ。老ノ坂峠は230m。高くはないけれど結構キツイ。左手には小さな川が流れて いる。前後に車がないときは真っ暗闇。どんな動物か分からないが、えらく大きなガサガサという音がする。雨の中こんな時刻に活動し ているのは、イノシシかタヌキかキツネか物好きな親父くらいだろう。頂上のトンネルを抜けると下りになる。雨も降っているし、ヘルメット の風防に雨滴が着いて前が見にくい。もっとも、風防がなくても、その下には遠近両用眼鏡があるから同じことだ。ライトを全部点 けて下る。転ばない程度にスピードを上げる。市街地に入れば随分明るくなるので走りやすい。
23:19
コンビニ到着。トイレを借りに入る と、二人の女子高生が店内のテーブルで勉強している。注意されないんだと妙に感心する。

23:29 梅干しやら乾燥イチジク、チョコレートを食べてエネルギー補給完了。途中で着込んだチョッキタイプのブレーカーで、また雨の中 を行きますか。自分に激励。ここからは約4qの上り坂、観音峠(270m)へ向かう。この途中にはめし屋が2軒ある。むかぁーし食べたこ とがあるが、豚汁がうまかったのを覚えている。峠を越えるとほどなくして丹波のドライブイン。R9とR27の分岐点だ。ここまでは3度リハ ーサルで来ている。ドライブインは閉店しているが、横のコンビニは営業中だ。少し走ると瑞穂町に入った。真っ暗で景色は何も見えな い。雨の乱反射で前方もよく見えない。道路標識だけを注意して探しているうちに、府道26号との交差点に到着した。雨をしのげる場所はないかと見回すと、幸い軒下に自販機が設置してある。自転車を止めて、軒下に頭をつっこんでメモをとる。日付は9/20(土)に変って

0:42
 
到着。目の前の信号で停止した赤いスポーツカーが、青になると同時に斜め左へ急発進。雨にスリップしながらタイヤをきしませ て行った。お互いに馬鹿だね。相変わらず良く降る。あんまり元気も出ないけれど、さあ行こう。

0:47 雨の中をスタート。福知山市に入ると、上り坂の途中に長田野の工業団地がある。福知山には福知山城がある。戦国時代は、丹波篠山城と並んで中国地方ににらみを利かせていた重要地点だ。車で9号線を山陰に向けて走ると感じることだが、福知山までが随分 遠く感じる。自分だけではなく、大抵の人が異口同音に「まだ福知山」と言う。自宅から100q、日中の車での移動なら約3時間の道のり だ。夏の海水浴シーズンはよく渋滞する。休憩ポイントの新庄交差点が見つからない。仕方ないので開いていたガソリンスタンドをその 代わりにする。1:55 到着。

2:05 ペースは非常に順調で予定より13分上回っている。それにしても、防水スプレーをしっかりと振りかけてきたウインドブレーカーも 全く役に立たない。全身濡れている。気温も次第に下がってきている。最初にみた路肩の気温表示は23度あったのが19度まで下がっ た。寒い上に、出発前から痛かった腰が、走行中ずっと疼いている。もう少し行けば夜久野のドライブインがある。そこで弁当を一つ食 べて、保冷用の凍ったペットボトルを捨てよう。そしたら、多少軽くなって腰の痛みも和らぐだろう。頭には夜久野の湯気の立ったうどんや蕎麦が浮かんでくる。「うどんをすすりながら弁当を食うぞ!とろろ昆布の乗っかった熱いうどんを今に食うぞ!」。所々の路肩や閉店 した店舗前の空き地には、仮眠中のトラックが何台も駐車している。坂を上りきった右側に明かりが見える。ドライブインだ。何度も前後を確認して横断する。

3:10 
ほっとトしてライトを消した。大きな屋根があり、テーブルとイスとトイレもある。何よりも暖かいうどんが食える。先ずは「夜久野うどん」を注文。愛想のない親父さんが作ってくれる。この店はドライブインが閉店している間も営業している。 
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うどんを汁代わりに魚フライ弁当を食べる。ペットボトルは捨てた。雨は本当によく降っている。多少は中止して帰りたい気もする。しかしここで帰れば後悔の気持ちしか残らないし、なにより次はいつこれるか分からない。そんな弱気がのぞく程よく降る。すぐ横には、イスを 並べた上で、シュラフにもぐり込んで寝ている人がいる。オートバイで旅行中らしい。飼われているのか猫がいる。それも2匹。近寄りもしないが逃げもしない。さあ、お腹もふくれたし行こう。


3:48
 
降りしきる雨の中、京都府を出て兵庫県山東町矢名瀬大垣交差点へ向かう。寒い。走行中と休憩中は何ともなかったが、再び走り始めると震えが来るくらいに寒い。さっきレッグウオーマーを履いてよかった。凡そ5qで矢名瀬へ着いたが大垣の交差点が分からな い。右前方に公衆トイレがある。明かりと屋根があるのでとりあえず入る。地図を見てもよく分からないので、関宮町役場前の休憩ポイントへ向かうことにする。
養父町には道の駅「但馬楽座」があって温泉設備もある。開いているはずもないが、お湯に浸かっていきたい気分だ。道はここで二つに分かれ、右はR312で城崎温泉方面、左はR9で鳥取方面へ向かう。すぐに養父町と八鹿町の境にある八鹿トンネルだ。約1200mの上り坂トンネルになる。トンネルは怖いと予想していたが、雨がかからないのと明るいのとでかえって楽に走れる。しかし皮肉なもので、トンネルに入ると蒸し暑い。


5:26 
関宮町役場前のバス停に着いた。計画上の走行累計149qに対してメーターでは149.54q。5:35到着予定に対して5:26 の到着。我ながら巧くできた計画だと自画自賛。大きなバス停で囲いも屋根もあり、裏手には トイレもある。自転車を止めると、中に女性が一人バス待ちをしていた。布団の中で「NHKラジオ深夜便」を聞くことが多いが、そこで全 国の日の出時刻を案内している。この辺りは5時40分頃が夜明けのはずだ。夜明け前から仕事に行くのであろう人と、遊びで雨の中を走っている自分と比較して少々気が引けた。中に入るのは遠慮して、ひさしの下で20分間休憩する。

5:46 さて、ここから湯村温泉役場前までが、今回の最難関区間だ。平均速度も15km/hで予測計算している。地図ではハチ北高原スキー場近く まで、約1200mの但馬トンネルを挟んで距離5.6qで410m高度を上げる。続いて約800mの村岡トンネルを抜けて、本当になが〜い「長坂」を 登って、約1600mの春来トンネルを抜けると湯村温泉という区間だ。出発してすぐ坂にさしかかる。夜が明けてきているので景色がよく見える。緩 やかに右にカーブを描きながらほぼ直線に2qの坂が目に入る。その先は右旋回の珍しいループ橋になっている。車を避けて左へ寄りすぎる と、蓋のない深い溝に落ちる心配がある。イメージしたよりも楽に走れる。ループ橋を過ぎれば道は平坦・・・の筈だったが、、更に傾斜を増して続いている。気持が切れたか、一旦小休止をする。気を取り直して但馬トンネルを抜けて村岡町に入った。またトンネルに入る。空気が淀んでいて気持ちが悪い。また坂がある。「長坂」だ。2.7qで春来トンネルに入る。高度は凡そ380m位だと思う。 キツイ!途中で2回も小休止した。このトンネルができるまでは、冬の春来峠越えは難所だった。
湯村温泉街のバスターミナルに 到着。予想平均速度15km/hを16.4km/hで走ったことになる。
 
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 バスターミナル前

178qしか走っていないが、ここまでくればもう出雲に着いたも同じだ。待合 室の乗客に混じって休憩する。スポーツ飲料を飲んで梅干しを食べておやつを食べる。ついでにバナナも食べて荷物を軽くする。相変 わらずのガソリン補給。写真を撮ったりトイレに行ったりしていると、直ぐ前の旅館からツアー客が観光バスに乗り込む。従業員も大勢 見送りに出ている。

 
あんな本こんな本、夢千代日記、湯村温泉

 夢千代の 像(別機会撮影)

この温泉は、ドラマ「夢千代日記」の舞台で有名になった。主役を務めた吉永小百合さんの銅像もあるが、この天気ではわずかな寄り道もする気が起こらない。雨は小降りになっている。帰宅後整理をしていて気がついたが、ここでは食事をしなかったのに26分も休憩してしまっていた。峠を越えたのと夜が明けたことで、気が緩んだのだろう。



7:58 お客様見送りの旅館従業員が、自転車で走り出した私に不思議そうな視線を送っている。そりゃそうだわね。10qほど行くと蒲生峠がある。標高は200m程だからたいしたことはない。  
あんな本こんな本、湯村温泉、荒湯

 湯村温泉荒湯(別機会撮影)


 
約1700m程の蒲生トンネルを抜けると鳥取県だ。岩井温泉を左に少し走ると右に 線路が現れ、大岩駅が見えてきた。雨も降っているので、左にあったコンビニに入ることにする。大岩駅に着いたら、駅舎に入って弁当を食べてペットボトルを仕入れる予定だったが、それは駅舎のない無人駅だった。雨は強弱をつけて降っている。 

8:58
 
ぴったり予定どおり1時間。店の軒先で弁当を広げて朝食にする。前に大型トラックが横付けになり、運転席から出てきた若い女性が、雨の中で荷台のシートを整理し始めた。この頃こういう女性が増えたなと見遣りながら、エビフライ弁当を平らげた。何かしら食べたりない感じがするのと 肌寒いので、暖かいものが食べたくなった。店に入ってカップ麺を探しお湯をもらった。外で食べようとしていると、この中で食べて下さい と言って、未だ開けていない併設の食堂へ入れてくれた。ふーっ、有難い 
あんな本こんな本

9:40 お礼を言って店を出る。ほどなく、あれ!左に「名水」がある?名水は白兎海岸付近だと思っていたのに、思い違いをしていたの だ。R9をそれて右へ坂を下ると浦富海岸だ。この海岸は美しいことで有名だ。何度か車で通りかかったことがある。青々とした海と海面にでた岩。20代の自分なら嬉しくて一日中潜っていたことだろう。ともあれこの名水が次の休憩ポイントになっている。しかし先ほど休 憩をしたばかりの上、水は天から有り余るほどもらっている。更に次の休憩ポイント「道の駅北条公園」を目指す。ここはラッキョウで 有名な福部村。少し先の右手には鳥取砂丘がある。昔は左に「多鯰ケ池」を見て走ったのに、今は右に見えるしトンネルも二つある。トンネルを抜けると鳥取市の標識があった。


 
あんな本こんな本、白兎海岸


さらに鳥取空港を右に見ながら白兎海岸を目指す。前方に、後ろに四角い箱を積んだ自転車が走っている。 近づくと「日本一周七周目」と書いてある。自分のことは棚に上げて、何かしら妙な感じのおじさんだ。追い抜くと後ろから大きな音で、鐘かベルのようなものを何度も鳴らされた。ブレーキをかけて振り返ったが、格別用事はなさそうなのでそのまま進む。因幡の白ウサギ 伝説の白兎海岸。風も強いし波も高い。幸い雨があがっているので写真を撮ることにする。


 
ついつい時間を取ってしまう。予定どおりゴールできるかどうか心配なくらい向かい風が強い。先を急ごう。左折すると倉吉東郷温泉、羽合温泉、三朝温泉方面の分岐点を過ぎて

12:18 
道の駅北条公園に到着した。予定より8分遅れだ。向かい風も強かったし、白兎海岸でゆっくり遊びすぎた ので仕方がない。長年営業を続けている感じの施設だ。レストランと言うより食堂が一軒あるだけ。何はともあれ腹ごしらえ。親子 丼定食を注文する。食べながら、何か他に食べるものはないかと見回すが牛乳しかない。「この黄色い牛乳は何?」とお姉さんに聞くと、バナナジュース入りだと言う。元気が出そうなのでそれを飲んだ。

12:55 
予定どおりに出発。ほぼ直線で広い道だ。右手は松原が続いているが、その向こうは北条砂丘と日本海があるはず。相変わら ず風が強いが、追い風に変わった。35km/hくらいで楽に勝手に走る。遅れた時間も少しは取り戻せる。余りにも楽なのであくびが出てくる。コンビニで買った目覚ましドリンクを飲む。左手にさっきより立派な「大栄道の駅」がある。分かっていればここで休憩にしたのに。また暫く走ると、右手に更に豪華な「道の駅ポート赤崎」が現れる。何だ!後ほど良くなるではないの?。近くには「ふろしき饅頭」の本店があったはずだ。安くて美味しいんだけど持って走るわけにはいかないし。そんなことを考 えながら走っていると、どうやらJR下市駅付近の交差点を見落としたらしい。「まぁいいか」そう考えて、更に次の休憩ポイント米子市西福原交差点を目指す。天気が良ければ左に伯耆富士(大山)が見えるはずなのに、残念ながら今日は見えない。カメラを取り出すのもおっくうになるし雨だからムリ。米子市に入って西福原交差点を探すが分からない。「右境港」の標識が見える。間違えてうろうろするのは嫌なので、自動車販売店の軒先に入る。なんだか 休業のような感じで人気が少ない。表にいたお兄さんに交差点を尋ねるが、分からないと言う。ついでに境港で鮮魚が買えるかどうか尋 ねると「この時間ではもう買えない」とのこと。自分も雨中走行でいささかうんざりしていたので、渡りに船とばかり「そうですか、それじゃ境港はパスして出雲へ行きますわ」「出雲はここから随分遠いですよ」「あ、いいんです、どうせ京都から300q走ってきたんですから」、「えっ!?」。時間が遅くて魚は買えないので、直接出雲へ行くと妻に電話で伝えた。自分の現在地はよく分からないけれど、ここがその交 差点ということにしておいて出発。だんだんいい加減になってきた。

15:00 どうせ予定を変更したのだから、休憩ポイントはどうでもいいことにして走る。向かい風を受けながら、民謡「どじょうすくい」で有 名な安来市に入った。目についたコンビニで、ヨーグルトジュースと大きなプッチンプリン?を買って食べた。荒れる中海を右に走ってか ら、標識に従って左折した。すると何度もアップダウンを繰り返した後、完全に自動車専用道路に誘導されてしまった。とに角歩いて いる人がいないので、しばらく行きつ戻りつしてから、ようやく尋ねてR9へ戻り宍道湖畔を走る。宍道湖も波が高く嫁ケ島も霞んで見える。いつ までも向かい風が強い。ついに出雲市に入ったと思って、国道沿いの花屋さんで確認をする。「ここは直江だから、まだ出雲市に入って ない」とのこと。親切に出雲市合同庁舎の場所を教えてもらった。 
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JR出雲市駅正面(到着時は雨だったので翌日撮影)


 
庁舎付近の整体師の店でもう一度道を確認し、電鉄出雲市駅方向 からJR出雲市駅に到着。

時刻は18時30分
  走行距離368.64q、所要時間21時間28分、実走行時間16時間17分、平均速度22.6km/h、最高速度61.8km/h(もちろん下り坂)。雨が降っているので駅の全景写真を撮れない。先ずは自宅へ電 話を入れる。メモを取ってから宿泊先の出雲厚生年金会館へ向かった。あまり疲労感はなく、境港方面への30qをショートカットしたためか、金沢の時ほど感激もなく淡々とした気分だった。
ウエルシティー出雲にチェクイン。先送りの荷物を受け取って部屋に入った。途中でエネルギー補給が効き過ぎたのか、空腹感がないので夕食は抜きにしよう。風呂に入ってついでにウエアーも洗濯をした。本当なら明日は自転車で出雲大社へ行く予定だったが、ほぼ全部雨の中を走り続けてきたのでその気も無くなった。さあ寝ようねよう!・・・・・・爆睡
 
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 JR駅前のからくり時計 

 
翌日は7時過ぎに目が覚めた。昨日とは違って晴れている。今日は憧れの一畑電鉄に乗ろう。格別な理由は無いのだけれどどうしても一度乗りたかった。自宅へ送る荷物や自転車などをフロントに預けて駅へ向かった。風が強い。駅の売店でヘヤースプレーを購入した。強い風に吹かれても数えられないくらいに固めておこう。JRと電鉄は屋外通路で結ばれているが、そこで強風に吹き飛ばされそうになった。時刻表を見ると出雲まで行くには1時間くらい待つ必要がある。松江ならまもなく出発するので、松江に行くことにした。ホームは二階にある。何人かの乗客が待っていた。 
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列車は二両編成のワンマンカーだった。乗り慣れないから一瞬戸惑う。車窓はしばらくすると長閑な風景に変わった。宍道湖もよく見える。昨日がこんな天気なら窓の下の道路を走ってゴールしたのになあ。列車が一畑口に近づくとスイッチバックを始めた。エエーッ!ほんとう?思いもしなかった運 転だ。
一畑薬師は目に効く仏さんと聞いている。日差しの向きが変わって乗客全員(といっても少しの人数)が席を向かいに替わり始めた。さすがに皆さん慣れたものです。
 

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 スイッチバック中に席を移動
 
終点は「松江宍道湖温泉」駅で近くには旅館街がある。ホームから出ると、前に足湯があって何人かの人が足を浸けている。これは是非入っておかないとと思い、足を浸けた。じっと浸けていると身体が温まってくる。旅行中とおぼしき若い女性、お爺ちゃんとお孫さん。お婆ちゃんと家族などが次々と入れ替わる。言わなくても分かると思いますが、私はそれだけ長く足を浸けていたということです。 
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 循環バスの車内

松江は何度か来ているのでどうしても見たいところはないのですが、じっとしていても仕方がないのでバスでどこかへ行くことにする。どこといってあてもないので、循環バスに乗ってぐるぐると車窓観光も良いかなと思い、やってきたバスに乗った松江大橋で降りてJR松江駅までぶらぶらと歩く。途中の商店街で、野焼き竹輪が売が売られている。デカイ!。家内に電話で「買って帰ろうか」と尋ねると、あっさりと 「いらんわ」。ウーンどんな味か食べてみたかったなあ。

 

しかし今日は台風並みの風でぼんやり歩いていると吹き飛ばされそうだった。帰りは宍道湖の南側を走るJRで戻った。ホテルから自転車で出雲市駅へ向かい、17時02分発スーパーやくもに乗って帰途についたが、車中では来年のサイクリングをあれこれ考えていた。そうだ、ついでにどうでも良いことなんですが、車中で購入した岡山の 「祭りずし弁当」 が大変美味しかったのが記憶に残っています。帰宅後その話をすると 「買ってきてくれたら良いのに」 と文句を言われました。うーん、竹輪と弁当の勝負は難しいです。

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さて、ここまで読むと、随分簡単に400q近くを走ってきたように思われるかも知れません。雑誌に掲載されている色々なレポートを読んでも、みんな軽々とすごいなあーという調子です。しかし決してそんな事はないと思います。私はもちろん、スーパーロングを走った人は皆つらかった事を忘れています。或いは辛いことは当然のことで発表する必要はないと思っています。
そこで、このページを読んだ人のために、辛かったことをお伝えします。自転車はジャイアントのアルミフレーム。コンポはシマノのティアグラ、ホイールはシマノのWH7701、サドルはセライタリアXOトランザム (縦長の穴が開いている、高価なものではない) でした。アルミフレームは地面の凹凸を直接身体に伝えます。ホイールはやや高価なものですが、それで振動がなくなるものではありません。
このサドルは100q位の走向では何ら問題なかったのですが、長距離になるとお尻が痛い。正確にはお尻というより尿道が痛くなります。今回は大丈夫でしたが、ひどい場合は排尿しづらくなります。左手の薬指がしびれて、1ヶ月間直りませんでした。手の平の部分に厚いパッドの入った手袋を持って走っているのですが、気持ちが悪 くてはめていませんでした。今後は長距離走行時には手袋をはめるようにします。
腰痛は、若い頃仕事で腰を痛めてから持病になりました。日常生活でも気をつけていますが、自転車に乗ることで悪化させることはないようです。それより、新聞や本を読む姿勢に気をつける必要があります。今回はスタートの2週間前くらいから腰痛が強く、どんなにしても痛みが消えないまま走りました。幸い日本海側へ出てから痛みが消えたのでたすかりました。足の痛みは当然1週間くらいは残ります。自転車は年間35〜6回乗ります。総距離にして2500〜2600q位でしょう。これは比較的少ないと思いますが、1回当たりの走向はなるべく強い負荷をかけて走っています。そんな練習はとりもなおさず遠足のためです。もう少し回数と距離を走った方が良いのですが思うようにはいきません。

  登りの坂道も向かい風も「これこそがサイクリング」と割り切れば、また楽しい思い出になります。
 


 サイスポに掲載して頂きました

 サイスポ2004年3月号

 二冊目の記念の雑誌になりました。

 下に高低地図があります


 
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