《私の本棚第五十九》 平成14年2月 

        「ハンガリー民話」  民話集

 ハンガリーは東欧という位置づけになっていますが、文化としてはどこかしら東洋的な雰囲気を持つ部分もあるようです。はっきりした記憶もなく、調べなおしてもいないので確かなことは言えませんが、ハンガリールーマニアには干支の文様が地方の家屋の壁にあったように思います。
 日本の昔話では冒頭の決まり文句、「むかしむかし、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました」 で始まります。しかしハンガリーの民話では、「あったことか、なかったことか、七つの国を七回越えたまだ向こうに」 とか、「あったことか、なかったことか、オペレンツ海のその向こう、まだら馬の税は決してとられない所よりまだ向こうに」 等という常套句で始まるものが多く見られます。人物も王様と娘とか、王様と王子様が多いようです。はるか昔の物語としての設定ですが、最後には「まだ死んでいなかったら、今も生きているはずだ」 などと言って、聞いている子供に何となく夢を持たせるような仕組みになっています。

  国独自の文化とは言いますが、交易を重ねて交じり合っていくものだと思います 
水仙,スイセン





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