《私の本棚   第三十五》         2000年(平成12年)2月   

    「街道をゆく」熊野・古座街道  司馬遼太郎  

 「街道をゆく」 シリーズは、テレビで今放映されています。かつて車の無い時代に、日本人が大いに行き来したと思われる街道を旅しながら、その地方の人や風土を考察しています。「熊野・古座街道」 の中に潜水橋の事が出てきます。著者は 「ここの人はユーモアがある」 と書いています。私は潜水橋とは沈下橋の事であり、何れにしても一般的な普通の言葉と思っていましたので一瞬 「?」 と思いました。辞書を引いてもなるほど潜水橋も沈下橋と言う言葉もありません。しかし著者はそういう橋を見るのは初めてのようです。もし木津川に架かる流れ橋を見たら、どんな感想を持ったのでしょうか。
 著者はこの中では 「若衆組」 に関して熱心に訪ね歩いています。昔の集落にあったこの組織を、西南戦争の西郷隆盛に結びつけて考えています。勿論今ではその様な組織は残っていないとは思いますが、情報の伝達手段が旅人の口伝ての時代には、人の結びつきを一層大切にするため何処の地方にもあったのでしょう。それにして

 も文筆能力があると言うことは得なものですね。 
うめ,梅




  梅一輪
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