《私の本棚 第百四》    平成17年11月

       「ソクラテスの弁明」
    プラトーン  著

 ソクラテスを哲学者と知ってはいても、この本を読んだ人は少ないかもしれません。彼は紀元前399年に裁判にかけられ、毒をあおって刑死しています。その裁判での自己弁明をプラトンが記したものです。当時ペリクレスという優れた人物が一時代 (前460〜430) を築いていました。彼の死後政治は乱れ、その渦中での出来事。

「もし誰かが汝を捕らえ無実の罪で投獄するならば、汝の哲学はそのとき何の役に立つのか」 という問いに、命以上に大切なものがあると示しました。弁明の中で、
自分は知らないから知らないと思っているが、この男はそれさえ知らない。だから自分の方が知恵があるらしい」 と述べています。

論語の為政編に 
之を知るを知ると為し知らざるを知らずとなす、是れ知るなり とあります。

釈迦誕生は前565年、孔子は前551年、ソクラテスは前469年頃。ソクラテスは論語を知っていたか否か? 
あけび




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