《私の本棚 第九十》 平成16年9月
「デイビッド・コパフィールド」
ディケンズ 作
作者はイギリス人。1812年生まれ。昨年の十二月号で 「クリスマスキャロル」 をご紹介しましたが、同じ作者です。 この作品は1850年に出版されました。父親は借金が絶えず、債務者監獄なるものに収監されたりしています。十二歳のディケンズは靴墨工場で働くなどの苦労をしながら、弁護士事務所の事務員をしたり、速記を習得し記者になったりして、作家への道を進みました。自伝的作品でかつ、代表作品といわれています。 名作だと思います。文庫本で二千頁を超えますが、中学生でも読めますし、内容も豊かです。富める者と貧しき者、社会の上層と下層、善意と悪意、愛と憎しみ、栄光と挫折、失敗と成功、冷たい心と暖かい心、守られる者と守る者、出会いと別離などなど。様々な人たちが登場しますが、自伝的作品だけあって訴えかける力を強く感じます。 |
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